大阪地方裁判所 昭和４７年（わ）３６７８号 判決
本籍
大坂府泉佐野市若宮町一二二八番地の一五
住居
同町一番二一号
パチンコ遊技場経営
畑谷芳郎
大正一二年一二月二二日生
所得税法違反被告事件
出席検察官
田辺信好
弁護人
田村武敏
主文
被告人を徴役一年六月および罰金四〇〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右徴役刑の執行を猶予する。
理由
（罪となるべき事実）
被告人は、大坂府泉佐野市若宮町一番二一号等において、パチンコ遊技場を経営しているものであるが、自己の所得税を免れようと企て、
第一、昭和四四年分の所得金額が一〇七、四九五、八八二円で、これに対する所得税額が七〇、五三〇、七〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上の一部を除外し、これによって得た資金を架空名義の預金にするなどの行為により、右所得金額中九七、七七五、八四二円を秘匿したうえ、昭和四五年三月一三日同市下瓦屋所在泉佐野税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が九、七二〇、〇四〇円で、これに対する所得税額が三、四一二、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税六七、一一八、七〇〇円を免れ
第二、昭和四五年分の所得金額が一二〇、五六一、七二七円で、これに対する所得税額が七八、三六三、五〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得金額中一〇九、八七四、八〇二円を秘匿したうえ、昭和四六年三月一二日前記泉佐野税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が一〇、六八六、九二五円で、これに対する所得税額が三、六三二、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税七四、七三一、〇〇〇円を免れ、
第三、昭和四六年分の所得金額が一〇六、九六二、八四一円で、これに対する所得税額が六七、一四八、二〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得金額中九四、四九六、五一五円を秘匿したうえ、昭和四七年三月一一日前記泉佐野税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が一二、四六七、三二六円で、これに対する所得税額が四、一八四、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税六二、九六四、一〇〇円を免れ
たものである。
（証拠）
一、泉佐野税務署長認証の昭和四四年分、同四五年分、同四六年分各所得税確定申告書謄本
一、収税官吏の次の者に対する各質問てん末書
畑谷照子（四通）、落合正弌（二通）、西森正男、笠原正登、武安源太郎、森村栄次
一、次の者作成の各確認書
畑谷照子、武安源太郎（二通）、森村栄次、宮内藤兵衛（三通）、田中良和、林健二、飯田乙夫、株式会社協和銀行玉出支店、坂井淳二、井上正信、伊藤四郎、渡辺孝夫、三宅米男、前田外喜雄、草竹久義（二通）、南久吉（二通）、株式会社泉州銀行泉佐野支店、同銀行難波支店、水橋善寛、株式会社大和銀行佐野支店、井上誠一、高取徳、米坂貫広、矢幡豊、佐谷金太郎、福田徳人（二通）、松村繁一、田中稔、井上高明（二通）、中本美佐子、長谷川政三、板井文義、小林一光、笠原秀介
一、長滝谷正夫作成の供述書
一、次の者作成の各回答書
大坂銀行住吉支店、同銀行天下茶屋支店、大坂相互銀行天下茶屋支店、協和銀行泉大津支店、同銀行大国町支店、同銀行難波支店、近畿相互銀行阿倍野支店、同銀行岸和田支店、同銀行天下茶屋支店、同銀行難波支店、神戸銀行大坂南支店、同銀行萩ノ茶屋支店、三和銀行泉佐野支店、同銀行岸和田支店、同銀行難波支店、同銀行萩ノ茶屋支店、同銀行平野南口支店、同銀行南田辺支店、住友銀行貝塚支店、同銀行岸和田支店、同銀行天王子駅前支店、同銀行難波支店、同銀行日本一支店、同銀行平野支店、同銀行南田辺支店、泉州銀行泉大津支店、同銀行尾崎支店、同銀行貝塚支店、同銀行熊取支店、同銀行駒川町支店、同銀行長居支店、同銀行昭和町支店、同銀行砂川支店、同銀行難波支店、第一勧業銀行玉出支店、同銀行難波支店、大和銀行泉大津支店、同銀行貝塚支店、同銀行京都支店、同銀行佐野支店、同銀行難波支店、大和銀行萩ノ茶屋支店、東海銀行阿倍野橋支店、兵庫相互銀行平野支店、富士銀行難波支店、同銀行萩ノ茶屋支店、福徳相互銀行岸和田支店、同銀行西田辺支店、北海道拓植銀行大坂支店、三井銀行天下茶屋支店、同銀行難波支店、同銀行西田辺支店、三菱銀行難波支店、同銀行大坂西支店、同銀行北畠支店住友信託銀行
阿倍野支店、同銀行梅田支店、同銀行大坂駅前支店、同銀行難波支店、同銀行本店、東洋信託銀行阿倍野支店、同銀行大坂駅前支店、同銀行難波支店、三井信託銀行阿倍野支店、同銀行梅田支店、同銀行難波支店、三菱信託銀行阿倍野支店、同銀行梅田支店、同銀行難波支店、安田信託銀行阿倍野橋支店、同銀行梅田支店、同銀行難波支店、大和銀行佐野支店
一、収税官吏佐川英雄作成の調査てん末書
一、収税官吏鈴木昭一作成の査察官調査書
一、収税官吏の被告人に対する各質問てん末書
一、被告人作成の各確認書
一、被告人の検察官に対する供述調書
（法令の適用）
被告人の判示各行為はいずれも所得税法二三八条に該当するところ、所定刑中いずれも徴役刑と罰金刑を併科することとし、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、徴役刑については同法四七条本文、一〇条により犯情最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で、罰金刑については同法四八条二項により介罪所定の罰金額（ほ脱額相当）を合算した金額の範囲内で被告人を徴役一年六月および罰金四、〇〇〇万円に処し、右罰金を完納することができないときは、同法一八条により金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置することとし、なお情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右徴役刑の執行を猶予することとする。
（裁判官 梶田英雄）
右は謄本である
昭和四八年三月二日
大坂地方裁判所第三六刑事部
裁判所書記官 安井孝男